Archive for the Category ◊ 風習 ◊

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• 月曜日, 6月 03rd, 2013




「許してくれないと駆け落ちする覚悟よ」と、親をおどすセリフも、恋愛、同棲自由の世には少々、埃をかぶった感がある。
このことばは本来は戦陣用語で、武士が負け戦となり、駆けるように落ちのびることをさした。
江戸時代になると「欠落」と書き、今の法律用語の失踪と同じ意味に用いられた。
これは、年貢に追われたり、悪事などのために行方をくらます目的で、他郷に逐電した者のことをいい「欠落」の字は戸籍台帳から”欠け落ちる”ところからきている。
つまり、むくつけき男が逃げ落ちることもかけおち、といったのである。
相愛の男女が許されぬ恋を遂げようと、手をとって逃亡する場合にもつかわれるようになったのは、このころからのことだという。
江戸時代に駆け落ちをするということは、戸籍から欠け落ちる覚悟はもとより、追手に脅え、恋を貫くために死を賭して行うものだった。
こうした「駆落者」として、今に名をとどめているのが、歌舞伎の「道行」でおなじみの、忠兵衛・梅川。
そして、お軽・勘平である。

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• 火曜日, 5月 14th, 2013




いまや死語に近いことわざですが、明治、大正生まれの女性は女子の修身の心得として聞かされたといいます。

「三界」は、過去・現在・未来の三世のことをいい、女はそのどこにも安住の場はない、という意味です。

これには、仏教思想と儒教の道徳が基盤になっています。

仏教では、女には五障もしくは五礙(がい)といって、仏になるのを妨げる宿命的な障りがあるとしています。

そのために、女性は罪深いもの、女性の身は卑しいものとされていました。

今でも女人禁制の山や修験道の霊場などは、その教えを伝統として守り続けています。

武家社会になると、そこにさらに男尊女卑の儒教の道徳が加わることになります。

「家にありては父に従い、嫁しては夫に従い、夫死しては子に従う」の「三従」に、女は従うべきで、過去・現在・未来の三界、どこにも安住の場はない、とされていたのです。

もっとも、今、こんなことをいったら、まったくなにをいわれるかわかったものではないですが。

ところで、「三界」をつかうことわざには、「子は三界の首枷」があります。

人の親というものは子を思う心が、ちょうど首枷をはめられたように、どこまでも脱しきれないという意味です。

これなどは、時代が変わろうとも不変の親心にちがいないでしょう。

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• 日曜日, 5月 12th, 2013




冷房のはじまりはなんだったのでしょうか。

うちわ、縁台将棋、いや、四畳半に播れるかや…

まさにズバリ。貸しかやというサービスがありました。

明治の中ごろのことです。

当時サービス競争で、官有鉄道をしのいでいた山陽鉄道(後に国鉄に買収されて山陽本線となる)では、一・二等夜行列車のお客さんに貸しかやをしていました。

窓を開けて自然の冷房を利用するので、カが入ってくるのを防ぐためだが、明浩の鉄遵は風流でした。

同じ商亮に貸しブトン、貸しマクラというのもあったそうです。

それはさておき、本格的な冷房は、昭利11年に初めて登場した特急「つぱめ」の食堂車が第1号。

われわれが注射するとぎ、アルコールを腕にぬると、皮膚がヒヤリと涼しく感じます。

冷房装置も、媒体とする液体が気体に変わるとき生ずる気化熱で、あたたかい空気の熱をうばって冷やそうという仕組みです。

鉄道車両では、電気冷蔵庫と問じくフレオンガスを媒体にして、圧縮機で液体に圧縮、小さな噴出口から吹き出させて気体に変え、このときの気化熱を利用しています。

原理は簡単だが、圧縮機を回す動力をどうするかが、この装置のアイデアでした。

「つばめ」は、列軍が走るときの車軸の画転から発電機を回して電気を作る「自力本願型」でした。

これだと運転中はしごく調子は良いが、停車すると大変。

一分聞に室温が一度あがるというシロモノでした。

冷房の雑学をもう一つ。

敗戦後の昭和21年、米軍専用の寝台車や食堂車に、一冬で冷房をつけよ、という命令がきたと思っていただぎたい。

作業も昼夜兼行。

そこである係員が、こっそりと酒を調達してきました。

「腹の中を暖房にして、冷房装置をとりつけよう」と、酒の不自由な時代のこと、愛酒家はよろこんでイタダキ。

ところが翌日になって目がかすんできました。

酒の出所を調べると、なんとこれは車両の暖房装置に使っていたアルコールだったのです。

笑えない話です。

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