Author:
• 月曜日, 6月 03rd, 2013




「許してくれないと駆け落ちする覚悟よ」と、親をおどすセリフも、恋愛、同棲自由の世には少々、埃をかぶった感がある。
このことばは本来は戦陣用語で、武士が負け戦となり、駆けるように落ちのびることをさした。
江戸時代になると「欠落」と書き、今の法律用語の失踪と同じ意味に用いられた。
これは、年貢に追われたり、悪事などのために行方をくらます目的で、他郷に逐電した者のことをいい「欠落」の字は戸籍台帳から”欠け落ちる”ところからきている。
つまり、むくつけき男が逃げ落ちることもかけおち、といったのである。
相愛の男女が許されぬ恋を遂げようと、手をとって逃亡する場合にもつかわれるようになったのは、このころからのことだという。
江戸時代に駆け落ちをするということは、戸籍から欠け落ちる覚悟はもとより、追手に脅え、恋を貫くために死を賭して行うものだった。
こうした「駆落者」として、今に名をとどめているのが、歌舞伎の「道行」でおなじみの、忠兵衛・梅川。
そして、お軽・勘平である。

Category: 風習  | Tags:
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Both comments and pings are currently closed.

Comments are closed.