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• 火曜日, 5月 14th, 2013




いまや死語に近いことわざですが、明治、大正生まれの女性は女子の修身の心得として聞かされたといいます。

「三界」は、過去・現在・未来の三世のことをいい、女はそのどこにも安住の場はない、という意味です。

これには、仏教思想と儒教の道徳が基盤になっています。

仏教では、女には五障もしくは五礙(がい)といって、仏になるのを妨げる宿命的な障りがあるとしています。

そのために、女性は罪深いもの、女性の身は卑しいものとされていました。

今でも女人禁制の山や修験道の霊場などは、その教えを伝統として守り続けています。

武家社会になると、そこにさらに男尊女卑の儒教の道徳が加わることになります。

「家にありては父に従い、嫁しては夫に従い、夫死しては子に従う」の「三従」に、女は従うべきで、過去・現在・未来の三界、どこにも安住の場はない、とされていたのです。

もっとも、今、こんなことをいったら、まったくなにをいわれるかわかったものではないですが。

ところで、「三界」をつかうことわざには、「子は三界の首枷」があります。

人の親というものは子を思う心が、ちょうど首枷をはめられたように、どこまでも脱しきれないという意味です。

これなどは、時代が変わろうとも不変の親心にちがいないでしょう。

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