あちこちで、自転車専用道の建設が話題になるほど、サイクリングはレジャーとしてさかんになってきた。
いま見られる自転車が出来上がったのは、汽車や汽船よりもずっとあとで、一八八〇年のこと。
ちょうど、自動車や電車が発明された年でもある。
もっとも人が乗って走る二輪車で、はじめて自転車らしいものが生まれたのは一七七一年、フラ ンス人のマギュリェとブランシャールが作ったものだ。
しかし、史上「自転車の人」と呼ばれるのは、一八一六年に二輪車を作ったドイツ人カール ・ドライヌである。
そのころの車輪は木で、表がわに鉄のわくをはめたごく簡単なもの。
乗り手は車にまたがって、 足で地面をけって走った。
人々はこれを「早い足」と呼び、散歩などのときに乗りまわしてい た。
もともとレジャー用だったわけだ。
一八六〇年にペダルを踏む自転車が生まれ、一 八六八年にはフランスで初めての自転車競走が行なわれている。
このときはイギリス人が勝った が、一八六九年にロンドンで開かれた競走では、 フランス人が一位から三位まで独占したという記録がある。
ところで、ペダルをふんで軸を一回まわすと、 前輪も一回まわる。
したがって前輪が大きいほ ど、スピードが出しやすい。
それで前輪はだんだ ん大きくなり、人間の高さぐらいになった。
一八八〇年になって、チェーン(くさり)とプロケット(歯車)が使われ、ペダルは、いまのように前輪と後輪の真ん中にくるようになった。
これで、二つの車の大きさは大体同じになり、今の形に近づいた。
一八八〇年代には、イギリス人ダンロップが、 空気入りのチューブをはめたタイヤを使いはじめ、腰かけの下にはバネがつけられ、ブレーキ 採用された。
このおかげで、乗り心地もよく、ス ピードもずっと出るようになった。

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